日本シンクタンク協議会(加盟17機関)では、去る2016年1月25日に「イノベーションによる社会的課題解決とシンクタンクの役割」と題し、冬季セミナーを開催しました。米国スタンフォード大学のダッシャー教授のほか、協議会加盟機関や専門家の4名が登壇し、それぞれの立場からその処方箋を提示しました。 当日は、会員機関のご招待者様や報道機関の方々を含め、約140名が参加し、熱心に耳を傾けていました。 |
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◆開催概要 |
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テーマ |
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「イノベーションによる社会的課題解決とシンクタンクの役割」 |
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日時 |
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2016年1月25日(月)15:00~18:00 |
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会場 |
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三菱総合研究所4階 大会議室 |
講師 |
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スタンフォード大学 特任教授 Richard B.Dasher 氏
株式会社AsMama 代表取締役CEO 甲田恵子氏
株式会社三菱総合研究所 理事長 小宮山宏氏 株式会社富士通総研 主任研究員 湯川 抗氏 |
モデレーター |
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サイエンス作家 竹内薫氏 |
プログラム |
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15:05~16:05 |
基調講演 |
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「シリコンバレーに学ぶイノベーションによる社会的課題解決」
スタンフォード大学 特任教授 Richard B.Dasher Ph.D. |
16:15~18:00 |
パネルディスカッション
「国内外の社会的課題を先端技術やビジネスモデルなどイノベーションによる解決の可能性について議論し、シンクタンクが果たすべき役割を提言」 |
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【モデレーター】
・竹内薫氏(サイエンス作家) |
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【パネリスト】(50音順)
・甲田恵子氏(株式会社AsMama 代表取締役CEO)
・小宮山宏氏(株式会社三菱総合研究所 理事長)
・Richard B.Dasher氏(スタンフォード大学 特任教授)
・湯川抗氏(株式会社富士通総研 主任研究員) |
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◆基調講演 要旨 |
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イノベーションにおける産・官・学の役割の違いを説明され、国のイノベーションにシンクタンクがどのような役割を担い、そのためにはシンクタンクが何をすべきかをわかりやすく説明されました。シンクタンクの果たす役割が大きいことが改めて認識される内容でした。 |
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◆パネルディスカッション 要旨 |
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各パネラー自身のこれまでの経験や研究を踏まえ、今後の社会的課題をどのように捉えているかを語ってもらい、それらをどう解決すれば良いか、何がトリガーになるかなど踏み込んで議論していただきました。最後にシンクタンクへの期待も述べていただきました。 パネルディスカッションの主なメッセージをご紹介します。 |
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【社会的課題の提起】
・起業への理解や支援が日本では不足
・個人のEmpowermentなくして発展はない。
・日本の経験が他国で活かされていない。 |
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【社会課題をどう解決していくか】
・グローバルなCO-CREATION、Open Innovationで多くの知恵を集めてスピーディーに解決することが必要。 技術、資金、人材といった、成功に必要な機能もそれぞれがうまく担う必要がある。
・事業を進めながら機敏に対応することが必要。
・事業を成功させるには、周辺の人を巻き込む空気が必要。
・若者や女性など多様な人材・知識が必要であり、これらをいかに集め、実現するかが重要。
・ビジネスとして成立しなければうまくいかない。 |
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【課題解決に向かうトリガーは何か】
・危機感の共有。
・政策の転換や周囲の見方の変化などの空気の変わり目の利用。
・解決する空気を作り出すトランジション・マネジメント。 |
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【シンクタンクは何をすべきか】 ・グローバルな連携のコーディネーターとして、積極的に政策に関わる。 ・事業の社会価値の客観的評価。 ・社会起点・人間起点による需要の考察。 ・多様な人材・アイデアを形成する土壌づくり。 ・ベンチャーと大企業をつなぐ役割。
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以上 |